「縁の下の力持ち」左官の技術
左官の技術とは?
一人前の左官職人になるまでには、10年かかると言われています。
左官の上手な人、下手な人の違いは仕上げ時間はもちろんですが、一目見るだけで違いがわかります。
感覚やセンスだけでは成り立たない、それだけ、技術を習得するまでさまざまな知識や経験や技術が必要となります。
多彩な
仕上げ方法
左官と一口にいっても、多彩な仕上げ方法があります。
- 「こて」で 平面を均一に塗り込む
- 刷毛やほうき、スポンジなどを使いさまざまな表情を出す
- 削る、引っ掻く、研ぐなど、いろいろな手法を使い表情を出すなど、装飾性豊かな表現ができることも左官の魅力の一つです。
「材料の特性」「機能性」を
見極めるのも左官の技術
土や砂、石灰などの左官材料は、吸湿性に優れているものが多く存在し、建物の室内環境を快適にする役割も果たします。
土壁や石膏は、材料自体が水分を保持しているため、火災の延焼を防ぐ役割も持っています。もちろん、化学材料を使用しないので、燃えた場合も有毒ガスを発生させることもありません。また、土などは壊しても再利用することができるので、環境のためにもいいのです。
そんな建築材料を配合するのも、長年の経験と技なしには出来ません。
「なくてはならない」左官の技術
一時は減少傾向にあった左官ですが、耐震工事・補強工事の増加や健康ブームの影響もあり、再び注目を集めるようになってきています。
大きなビル等の建築では、左官が活躍する場が少ないようにも思われますが、タイル・塗装の下地のモルタル工事・コンクリートの補修などは、左官職人の出番です。
近年の災害の多発などから耐震工事・補強工事が見直され、特に耐震工事ではセメント系の材料を使用することが多いので、左官の技術が求められる場であり、今後も仕事は増えていくのではないか、と言われています。
また、近年の健康ブームの影響もあり、自然の原料で作る「漆喰」や「珪藻土」などの「調湿仕上げ」の人気が高まっています。
身体に優しい自然原料を使った左官の仕事が少しでも皆さんの「健康」や「心の安らぎ」になると信じ、毎日誇りを持って業務に取り組んでいます。